■■画龍点せー異様■■

DESTINY TIME RIMIX
〜少女か、狂戦士か〜












生み出されし禁忌。

時が来れば恐怖は目を覚ます。

最悪な時ばかりを狙い穿つ、

命を絶つ、破壊。






























―――【  切 り 開 か れ た 道 】―――
〜THE NORTHUEL&ZEINESUT&SHARON〜










ゼイネスト・サーバ











 ノーテュエル・クライアント











 シャロン・ベルセリウス











 三人は、とある一人の科学者『ヴォーレーン・イストリー』によって作られた。
 彼は、シャロンが作られてから一年半後、『賢人会議Seer's Guild)』からの刺客に殺された。
 その時、彼は全てを話した。
 自分が、『賢人会議Seer's Guild)』の科学者だったこと。
 多くの人間を、研究の名の元に切り刻んできたこと。
 それが嫌になり、『賢人会議Seer's Guild)』から脱走したこと。
 最後に、自分の意思を継がせられる存在が出来たこと。
「…これ以上『賢人会議Seer's Guild)』の犠牲者を増やさないでくれ…後は…注意しろ…『賢人会議Seer's Guild)』は、『賢人会議Seer's Guild)』であって、『賢人会議Seer's Guild)』ではな…」
 それだけを言って、彼は他界した。
 とても優しい「親」だった。
だが、『賢人会議Seer's Guild)』の仕業により、彼が研究していた『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』が、一人の少女…ノーテュエル・クライアントに記録されてしまっていたのだった…。
(ちなみに、他の二人のI−ブレインには幸運にも『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』は組み込まれなかった)














 シティ・モスクワへの潜入に成功したゼイネスト・サーバ、ノーテュエル・クライアント、シャロン・ベルセリウスの三人は、一旦二手に分かれた。
 ノーテュエルはフィア救出係。
 ゼイネストとシャロンは、シティ・モスクワの情報をハッキングする係。
 ちなみに、今のシティ・モスクワには、人という人が殆どいない。つい先ほど、このシティ・モスクワのメインコンピューターに『シティ・ニューデリーの方向に黒髪ツインテールの少女を見た』という嘘情報を流した。
 そしてシティ・モスクワの魔法士達は、ものの見事に騙されてシティ・ニューデリーの方向に向かっていった。
 普通、もっと疑うものじゃないだろうかと思った三人だが、どうやら、今のシティ・モスクワは予想以上にあせっているらしい、だから、こんな単純な手に引っかかるんだと納得した。
















 無機質な部屋の中で、ゼイネスト・サーバはパソコンに向かって黙々と作業を続けていた。パチパチというこれまた無機質な音が、電気の光輝く部屋の中に響き渡る。
 ゼイネストの顔には、笑顔が浮かんでいた。
 見つかったのだ。
 探していた情報――――すなわち、ノーテュエルの『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』を消去するためのプログラムの作成方法が。
 …正直、何故こんなところにこんなものがあるのかは不明だが、今はそれよりも目の前の事を考える為に頭を切り替える。
(プログラムNo二百二十七、制御下に登録。以下、プロブラム二百五十五までI―ブレインの支配下に入る。
 …
 ……
 ………
 …………
 ……………
 ………………
 …………………
狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラム。完成)
 I−ブレインが抑揚のない声で告げた。刹那、ゼイネストは頭に繋いだ三本の有機コードを外し、ふうっ、と一息つく。
 その横で、茶色の髪をポニーテールにしている少女、シャロン・ベルセリウスがおずおずと口を開く。
 今までゼイネストが真面目に作業に取り組むものだから、声をかけようにもかけられなかったのだ。
「…どう?全部…できたなの?」
 その質問を聞いたゼイネストは、満面の笑みでこう言った。
「…全ては終る。こいつを使えば終る!」
「!…それって!まさかなの!」
 ゼイネストの物言いに、シャロンの声も自然と高くなる。
「ああ、成功だ!こいつで、ノーテュエルの血塗られた運命を終えられる!」







 ノーテュエル・クライアントには、製造されながらにI-ブレイン備え付けられてしまった能力があった。
 それは、ノーテュエルのI−ブレインに埋め込まれた、忌わしき能力。
 発動するとノーテュエル本人が、ほぼ全ての魔法士能力を無効化し、狂人のごとく、破壊と殺戮を繰り返す破壊神と化す。この能力は、戦闘中、神に匹敵する戦闘能力を発揮できる反面、いかに相手を残酷に殺すかということを、無意識のうちに主観に置くようになってしまうという、非常識なまでの能力。
 六年にわたって彼女を苦しめたその名は『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター
 しかし、それも終わる。
 『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』を消去するためのプログラムは、今完成した。
「早くノーテュエルに伝えましょうなの!」
「ああ!」
 そう言って、二人は部屋から駆け出していった。











「…あーもー、どこ行ったのよフィア…」
 頭を手で抑えて、ノーテュエルはため息を衝いた。
 そして、苛立ちがこみ上げてきた。
 探しても探しても、フィアの姿は見つからない。その間にも刻々と時間は過ぎていく。
「ノーテュエル。ちょっと」
 フィアを探してリノリウムの張られた床を歩いている最中に『無限大の脳内容量を持つ魔法士型インフィニティタイプ』であるノーテュエル・クライアントは、今しがた部屋から姿を現したゼイネスト・サーバに呼び止められた。
「何?ナンパ?貴方にはシャロンという恋人がいたんじゃないの?」
 そっけなく茶々をいれて返事してやる。すると、廊下の奥でまだ追いついていなかったシャロンが顔を赤くした。 「…あのなあ、何でそうなるかな。
…っと、いけねえいけねえ、危うく用件忘れるところだった。
…あのさ、俺達が先日から研究していた『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラム、完成したぞ」
最初は呆れ、続いて開き直り、最後は歓喜の声。と、三段階に声の調子を変えて返答が返ってきた。
「えっ!ほんとに?・・・じゃあ、遂に『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』による殺戮衝動が…」
「ああ、抑えられる…というよりも、完全に打ち消せる」
 完成した『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラムを発動させるべく、ゼイネストはノーテュエルの頭に手を載せた、
 刹那、
「…何べたべたしてるなの…」
 廊下からやってきたシャロンが睨んだ。その瞳が、怒りを表している。
 嫉妬以外の何者でもなかった。
「あれ、シャロン。いたの?」
「…お前、今気づいたの!?」
「そうよ〜」
 至極暢気な言い草だ。ていうかわざとらしい。
 おそらく、シャロンが来ることを最初から予測していたのだろう。
 ノーテュエルがシャロンをからかうことなど、日常にわりとあることなのだから、ゼイネストはもう何も言う気はない。
「…それじゃ、『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラムは…いつやるの?やっぱり、フィアを助け出してから?」
 話を元に戻す。
「いや、今やるわ」
 ノーテュエルはそう返答した。
「わかった。…シャロン、すぐ終わるから、そう睨まないでくれ…」
「…分かったなの」
 とか言いつつ、シャロンはしっかり視線を外さない。
 変に誤解されるより、早く終わらしたほうがよさそうだ。
 そう判断し、ゼイネストはノーテュエルの頭の上に手を乗せ目を瞑り、
(Iーブレイン起動。『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラムを送信)
 それで終わった。
「え!?もう終わり!?」
ノーテュエルが驚きの声を上げる。
「遅効性の『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラムだからな。発動には時間がかかる。俺はもう少し調べ物をしてくるから、ノーテュエルは別行動でフィア探しの続きと、見張りとかがいないか確かめてきてくれ。シャロンは別ルートでフィアを探してくれ」
「分かったなの」
「了解…ああそうそうゼイネスト」
 ノーテュエルは一度立ち止まって、
「私がいないからって、シャロンに好き勝手しちゃ駄目よ…シャロンはシャロンで、ゼイネストにそういうことされたらきっと抵抗しないだろうし…」
「するかっ!!!」
「あはは〜〜どうかな〜〜〜、じゃ、また〜〜〜〜〜」
 激高するゼイネストと、顔を真っ赤にして俯くシャロンを尻目に、ノーテュエルはひらひらと手を振って、部屋の向こうに消えていった。






 そのまま、ノーテュエルは廊下を五百メートル程歩く。
「しっかし、ここの魔法士も馬鹿ばっかよね――――。ほんと、あんな単純な情報に騙されるんだから…」
 自分達の流した偽情報によって、シティ・モスクワの殆どの魔法士が、何も無いところへと向かっていっているだろうから誰もいないだろうと思って扉を開けると、








 

銀髪の可愛らしい少女と目が合った。









 ここに、三人の知らなかった事実が存在する。
 ノーテュエルの流した嘘情報により、シティ・モスクワの魔法士の殆どはシティ・ニューデリーへと向かったが、シティ・モスクワの全ての魔法士がシティ・ニューデリーへと向かったわけではなかった。
 ブリード・レイジは、もしかしたら錬がフィアを助けに来るのではという可能性を捨ててはいなかった。そのため、次のマザーコア候補のフィアを錬に取り返されないようにと思って、ミリルと共にシティ・モスクワに残る事にしたのである。
 シティ・モスクワの軍幹部もブリードの考えには納得したし、ミリルはいつもブリードと一緒にいるために、いい意味でシティ・モスクワの軍幹部に誤解されていたために、一緒にいてもいいと許可したのであった。
 そして、ブリードは待ち構えていた。
 フィアがいる牢屋の前で、錬が来るのを。
















―――【  エ ン カ ウ ン ト 】―――
〜THE NORTHUEL&MIRIRU〜
















「……」
「……」
 諸事情で女子更衣室に来ていたミリル・リメイルドは、金髪のお下げの少女にばったりと出会った。
 ミリル本人も相当驚いたが、相手の金髪のお下げの少女はもっとびっくりしているようだ。
 そのために、どちらも唖然としたまま動かない。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……………………あ、貴女は誰ですか!?」
 それから十秒も経たないうちに、ミリルの意識が現実に戻る。それにつられるかのように金髪のお下げの少女ははっ、と顔を上げる。
「あー、ここのシティの人?悪いけど、私今、とっても忙しいの。だからほっといてくれる」
 素っ気ない態度で、さも「何もありませんでした」みたいな感じで、金髪のお下げの少女は部屋を出て行こうとする。
「待ちなさい!!」
 が、それを許すミリルではない。反射的に金髪のお下げの少女の襟首を軽く掴む。
「あう、やっぱり逃がしてくれないか」
「当たり前です!!!」
 金髪のお下げの少女は唇を尖らせて、しぶしぶと抵抗をやめる。あまりにもあっさりしたその様子に、ミリルは「え!?」と拍子抜けしてしまうが、それでも襟首を掴んだ手を離さない。
 侵入者とそれを発見した者とはとても思えない、なんとも間の抜けた会話。
 だが刹那、金髪のお下げの少女はミリルの方を振り向き、
「…じゃあ仕方ないか…大丈夫。顔は殴らないから…む」
 金髪のお下げの少女の視線は、ミリルの胸の部分に注がれている。
「な、なに!?」
 いきなり理解不能な行動を取る金髪のお下げの少女の行動原理が分からず、思わずミリルはたじろいだ。
「んんんんんっ!!!」
 金髪のお下げの少女の目つきが鋭くなる。
「だから、何なんですか!?」
 さらにミリルは困惑する。
「…わ、私よりも胸がでかいっ!!!くっやし―――――――!!!!あったまきた!!!!シメる!!!」
 困惑したミリルの様子など一切気にした様子は無く、金髪のお下げの少女は、今度はいきなり怒り出した。
 そして金髪のお下げの少女は懐から銀色のナイフを取り出して正眼に構える。そのナイフの材質は分からないが、おそらくあのナイフの表面には、論理回路がびっしりと書き込まれているだろう。
「え!?ええ!?」
 もう、何がなんだかさっぱり分からない。
 そもそも、どうしてこうなっているのか。そこから説明を求めたい。出来れば五十文字以内で。
(攻撃感知)
 にもかからわず、I−ブレインからは抑揚の無い声。
「ってや――――!!」
 さらに金髪のお下げの少女の陽気な声。
 気がつけばこっちに向かってくるナイフに気がついて、ミリルは殆ど条件反射で飛びのいた。
「避けるな!!!」
「避けます!!!」
 無茶を言う金髪のお下げの少女に、ミリルは何とか反論する。
「まあ、普通はそっか…仕方ないわね―――ちょっと痛い目見てもらうか。逃がしてくれそうにないし」
「こっちこそ、貴女に『参った!!』って言わせてあげます!!」
「参った」
 あっけらかんとした顔で、ノーテュエルはその言葉を言ってのけた。
「ううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅ!!!!」
 間の抜けた声を上げながら右手の拳をわなわなと震わせるミリル。ついでにほんのちょびっと涙目。
 …すっごく悔しい。
 …ていうか、様々な意味でガキの理屈だ。
「と、いけないいけない…あっちのペースに乗せられてたら、いつまでも話が進まないわ…」
 気を取り直し、ミリルは金髪のお下げの少女をびし!!と指差して言い放つ。
「私だって、やられるわけにはいかないんです!!!」
(I−ブレイン起動。風使いトルネーダー)』常駐)
 肌に触れる風が、一段と強くなったような感覚。
 気流という『風を操るための情報』を見つけ出し、風を意のままに操る。
 (『風使いトルネーダー)』、『無限の息吹インペリアル・ブレス)』発動)
 言い終わらぬうちに、ミリルは周囲の風から『風を操るための情報』を見つけ出し、それに命令を送り、不可視の風の刃を飛ばす。命令は無論『目の前の金髪のお下げの少女を切り裂け』。
 気流という『風を操るための情報』を見つけ出し、風を意のままに操る。それが、『風使いトルネーダー)』の能力『無限の息吹インペリアル・ブレス)』。
 ただし、ミリルの修行不足のせいか、離れたものを運ぶなどという高等技術はまだ出来ない。今のミリルの力では、この力は攻撃にしか使えないのだ。
 だがぞれでも、その一撃は並みの魔法士の一撃を軽く凌駕する。大理石すらたやすく切り裂くこの能力は、目に見えない分非常に厄介なものとなる。
(四十五度の角度から攻撃感知)
「ふっ!!」
 だが、金髪のお下げの少女とてそう甘くは無い。I−ブレインの警告から風の刃の方向を見切り、飛翔した風の刃をあっさりと回避する。
「…やりますね…じゃあ、もっと増やしてあげますっ!!!」
 ミリルのI−ブレインの稼働率が上昇した。周囲の風からの『風を操るための情報』を最大限に引き出し、
無限の息吹インペリアル・ブレス)』を連発する。
(百三十五度の角度から攻撃感知)
「そーれでー?」
 余裕を持ってノーテュエルはそれを回避。
(二百八十五度の角度から攻撃感知)
「あっまーい♪」
 口笛まで吹く余裕を持ってノーテュエルはそれをもっと回避。
(三百六十度全方位から攻撃感知)
「軽いかる…えっ!?」
 気づいたときには遅かった。
「うっそ―――――!!!」
 刹那、金髪のお下げの少女のナイフが嵐のごとく乱舞し、あてずっぽうで風の刃を次々と薙ぎ払う。しかし、流石に三百六十度の全包囲攻撃からは逃れられない。体や頭への致命的な攻撃こそ回避されたものの、風の刃は金髪のお下げの少女の左足を一箇所、長さ七センチ、深さ一センチほど切り裂いた。
「いった―――い!!!やるじゃない…」
 金髪のお下げの少女は、腕を振り上げて抗議する。
「…でも面白い能力持ってるわね貴女。なら、こっちもぼちぼち本調子でいきますか」
 そして金髪のお下げの少女は、いきなり突っ込んできた。
 ミリルはそれをかろうじて回避。再び『無限の息吹インペリアル・ブレス)』を飛ばすが、今度は外れた。
 金髪の少女はバックダッシュを連発してミリルから距離をとり、
(I−ブレイン起動。『炎舞大炎上ミカエル)』常駐。『炎剣』発動)
 その手に持つ銀色のナイフに橙色の炎を具現化させる。さしずめそれは、炎の剣と形容するにふさわしい。
 そしてこれは、まさしく『炎使い』の能力。
「さあ行くわよ!!!…と、私の名前言ってなかったわね…私の名前はノーテュエル・クライアント。よろしくっ!!!!」
 橙色の炎を具現化させた銀色のナイフを正眼に構えなおして、ノーテュエルは声高らかに言い放った。
(『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラム。終了まで推定残り時間八分)
 同時に、ノーテュエルの脳内では、とある作業が続いていた。
 後少しなんだ…後…少しで。
 その思いだけを胸に、ノーテュエルは加速する。







 光速度の九十パーセントに達した速度の中、ミリルはノーテュエルの姿を捉え、『無限の息吹インペリアル・ブレス)』を繰り出した。
 右胸目掛け命中…したと思った『無限の息吹インペリアル・ブレス)』に手ごたえは無く、『無限の息吹インペリアル・ブレス)』の刃は何も無い空間を切る。
「!?」
 確かに当たったはずなのに、何故!?
 その困惑が、ミリルに一瞬の隙を作ってしまった。そして相手のノーテュエルはその一瞬の隙を突き、橙色の炎を具現化させた銀色のナイフをぶん回した。
(回避可能、防御不能)
 I−ブレインの警告を聞き、すかさずバックステップ。結果、橙色の炎を具現化させた銀色のナイフをぎりぎりでかわす形になる。
 その間にも、ミリルの肉体は迎撃に備え構えをとる。構えといってもどこかの流派とかそういった類のものではない。いわゆる警戒態勢とでもいうべきものである。
(早い!)
 魔法士のはしくれとして、ミリルはそう感じた。
 だが、迷っている余地は無い。迷えば、またさっきの繰り返しになる。
 頭を落ち着かせ、冷静を取り戻す…取り戻して、自分の周りの温度が以上に上がっていることに気がついた。
 その最中、ノーテュエルが橙色の炎を具現化させた銀色のナイフで斬りかかってきた。だが、それもぎりぎりで回避する。
 赤いフレアスカートの裾がちょっと切れたが、気にしてはいられない。幸い、パンツも見えてないし。
「殺す気ですか!!」
「大丈夫、死にはしないわよ」
 戦闘中だというのに気の抜けた台詞を堂々と言ってのけるノーテュエル。そもそも、先ほどは「顔は殴らないから」とか言っておいて、じゃあ殺すのはいいんですかという点に関してミリルは問い詰めたい気分になったが、もうそれどころじゃない。
 バックステップで距離を離すノーテュエル。こちらの反撃に対しての迎撃準備かと思われる。
「!?」
 その時、ノーテュエルが交代する際に、ノーテュエルの分身が見えた気がした。
(そっか…陽炎!)
 先ほどの空振りの原因に、やっと気がつく。
 それは、熱量による残像。  ノーテュエルの能力のせいで、ここの暑さは真夏の暑さだ。それなら、陽炎が見えても不思議は無い。
 汗が頬を伝う。
 喉が渇く。
 赤いフレアスカートのせいで余計に暑い気もする。
 立つ事すらつらいが、泣き言は言ってはいられない。
 ここで手柄が無ければ、ミリルは――――――。
「っ!!」
 頭を振って、ミリルは雑念を取り除く。
 そして一瞬だけ目を瞑り、
(ブリード…見ていてね)
 それだけを、ミリルは自分に言い聞かせる。
 刹那、ノーテュエルの三度目の斬りかかり。
 だが、今度はそれを危なげなく回避する。回避されたことでノーテュエルの動きが一瞬鈍る。
 そこを目掛けて、『無限の息吹インペリアル・ブレス)』を繰り出す。。
 今度は手ごたえがあった。が、浅い!!!!
「…やってくれるじゃない」
 『無限の息吹インペリアル・ブレス)』により、左足に切り傷を作らされたノーテュエルから、そんな返答があった。
 すかさず行動を開始する。…前に、先手を打たれた。
 ノーテュエルが橙色の炎を具現化させた銀色のナイフを構え、突っ込んできた。
 ミリルは再度、冷静になるように自分に言い聞かせ、その一撃を回避した。









(『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラム、九十八パーセントクリア完了。推定残り時間二分)
 様々な方向から襲い来る『無限の息吹インペリアル・ブレス)』を回避して回避して回避する。
 それだけで、殆どの時間を消費。
(『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラム、九十九パーセントクリア完了。推定残り時間十秒)
 あと十秒。
 真正面から襲い掛かる『無限の息吹インペリアル・ブレス)』を回避。
 あと九秒。
 光速でバックダッシュして距離を置く。
 あと八秒。
 五秒もの時間をかけて、全方位から襲ってきた『無限の息吹インペリアル・ブレス)』を全力を持って回避。
 あと三秒。
 展開させていた橙色の炎を具現化させた銀色のナイフを解除し、バックステップ。
 その間にも、ミリルが突っ込んでくる。
 あと二秒。
 さらにバックステップ、距離が離れる。そして、周りの温度を元の温度まで下げる。
 あと一秒。
(『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』起動。『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』消去プログラム、一時強制終了)
 ノーテュエルの頭の中から、何かが一時的に消え去る感覚が訪れた。
 そして彼女の頭の中に、言葉が響いた。












殺せ。











ころせ。












欲望に身をゆだねろ。











切り裂いて切り裂いて紅くて綺麗な鮮血を帯びろ。











 終らぬ快楽へと堕落しろ。











 相手をいい声で泣かせろ。











 ぞくぞくするほどの残虐さに全てをゆだねろ。











 拘束に縛られず、望むがままに殺せ。











今まで幾度と無く聞いたその言葉。







それは間違いなく、








狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』の発動の合図だった。








「やめろおおおおぉぉぉぉぉ!!私に、わたしにこれ以上殺させるなぁ!!!」
 今まで戦闘態勢に入っていたノーテュエルが、突如、頭を抑えてうずくまる。
「逃げ…て」
 先程の元気が微塵も感じられないほどの弱々しい声を縛り出すようにして、ノーテュエルは呟くかのようにそれだけを声に出した。
「…え?」
 ミリルもまた、戦闘行為を中断させる。今まで戦っていた相手がいきなり豹変したのだ。疑問に思うのも無理は無い。いきなり豹変したノーテュエルの行動の真意が理解できず、ミリルは戸惑う。
「逃げて…逃げて…逃げて」
「え!?ええ…あ…大丈夫…なの…?如何したの?」
 ノーテュエルからの再度通告。しかし、それを聞いてもミリルは未だにおどおどしている。おそらく、今の言葉をノーテュエルの独り言か何かだと思ってしまったのだろう。
「私に構わないで逃げなさい!!!…逃げてぇっ!!」
 それが最後通告だった。
 ミリルは最後まで、それが自分に言われているのだと気づけなかった。
 そしてノーテュエルのI−ブレインが告げたのは、絶望を司る抑揚の無い言葉。
 今まで幾度と無く聞いた、死の宣告に等しき言葉。






























(『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』起動)





























ノーテュエルの意識が、一瞬揺らぐ。












 だが、












次の瞬間には、











狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』に










目覚めたノーテュエルが君臨していた。



















 ノーテュエルがそう言い終わった刹那、
「な、何…この禍々しい空気は!?」
 直感で、ミリルはそれを感じ取った。冷や汗が一滴、ミリルの頬を伝う。
 それは旋律。
 それは未知との遭遇。
 それは…嫌な予感。
 こういう時のミリルの嫌な予感は、ほぼ確実に的中する!!!!
「ふふふふふふふふふ……あはははははははははははははは!!!!」
 今までとは全く違う禍々しい空気が、立ち上がったノーテュエルを包んでいた。
「愚かな子…あれほど逃げなさいって言ったのに…ふふ…言う事を聞かない子には、きっついお仕置きが必要ね」
 ノーテュエルが顔を上げた。
 その瞳の色が、青から銀になっていた。
 目つきが、非常に鋭くなっていた。
 痺れた夢なら、ここにある。
 理性を破る、殺戮の本能。
 愚かさも殺人もまた美学。
 いかに相手を泣き叫ばせて殺すか。今のノーテュエルには、それしか考えられない。
「殺してあげる」
 先ほどとは全く違う、殺気を含んだ声でそれだけを言い放ち、ノーテュエルはミリル目掛け飛びかかった。























―――【 力 】―――
〜THE RESHUREI&SERISIA&RON&WAISU&?????〜











 がしゃん…という音と同時に、砂煙が舞い上がる。
 ゲホッ…という咳き込みと共に、揺らぎながら動く影。
「許さんぞ…貴様らァ!!!」
 口元から、否、風穴を開けられた右頬と左頬から血をだらだらと流しながらも、金髪の白いコートを纏った男…ワイスは立ち上がった。
 右のもみ上げ一房だけが異常に長い、奇抜な髪型を持つこの男は、頻発する連続人攫い事件の犯人でもある。当然、指名手配犯に認定されており、条件は生死問わずデッドオアアライヴ…要するに、それだけ凶悪だということになる。まあ、攫った少女に対していかがわしい行為を加えた上に殺したのだから当然と言えば当然なのだが。
「許さないのはこっちの方だ…よくもセリシアを可愛がってくれたな…」
 レシュレイとて怒っているのは事実。正直、目の前の男を後百発ほど殴りたくてしょうがない。
 セリシアを拘束していたモノを『情報解体』で完全に打ち消し、セリシアを開放する。能力の形状からしてこの男の能力は『人形使い』。『ゴースト・ハック』を用いて周りの金属に対し命令を与え、意のままに動かす能力だ。
 だが、からくりが分かればどうということはない!!
「ロン、セリシアを頼む」
「了解」
 レシュレイとロンは、そろって頷いた。
 刹那の間を置いて、レシュレイはワイス目掛けて駆け出す。世界を置いてけぼりにしているかのような感覚。ジェットコースターに乗っているかのように、世界はレシュレイの後ろへと後ろへと引きずられていく。
(攻撃感知、下方向)
 金属製の槍がレシュレイの足元から襲ってくるが、槍が伸びきる頃にはレシュレイの体は既にその地点を突破している。五十五倍という神速で飛翔するレシュレイに対し次々と、『ゴースト・ハック』による槍やら剣やら斧やらの攻撃が所狭しとレシュレイに次々と襲い掛かるが、そのどれをもってしても、レシュレイに傷一つ負わせるどころか、かする事すら出来ない。レシュレイのI−ブレインはこれ以上ないほど的確に確実に、攻撃が来る位置を見抜いている。
 そのうちに、ワイスとレシュレイの距離が縮まる。
 ――――ワイスの名誉のためにも言っておくが、決してワイスが弱いわけでは無い。『人形使い』としての能力は、エドワード・ザインには及ばないもののそれなりに強いし、人目につかないところで人攫いを行える分、計画性は非常に信頼できる値だろう。
 だが、流石に今回は相手が悪かった。『真なる龍使い』ドラゴンブレードたる能力を持つレシュレイが相手では、ワイス程度の強さではとてもじゃないが対抗できない。もとよりレシュレイの速度は五十五倍、その速度は、ワイスが「ゴースト・ハック」で周囲の無機物を有機物へと変換して攻撃に転じるまでの攻撃物体の発生の速さを遥かに凌駕する!!!
 さらに、『人形使い』は基本的に中距離から遠距離を得意間合いとする。よって、近接戦闘は正直かなり不利。
 だが、レシュレイはそれを即座に見切り、ワイスに近距離戦を挑んできた。よって、この時点で、ワイスの敗北はほぼ決まったといっていいだろう。
 レシュレイが漆黒の剣――――『漆黒の剣ソードオブシャドウ
』を突き出す。その矛先はワイスの心臓を一直線に狙っており、あらかじめ予測しておかなければ回避できないほどの速度を持って放たれる。
 ガキィッ!!!
 突き出した『漆黒の剣ソードオブシャドウ』が、何かにぶつかる。
 見れば、突き出されたのはワイスの右手。但し、その右手はいびつな形の強化カーボンを纏っている。はたからみるとナックルのようなものに見えるが、それはナックルと呼ぶにはあまりにもごつごつしており、美の欠片も感じられない。表面上は穏やかに振舞っているようだが、これがこの男の本性を物語っているように見えてしょうがない。
「…させるかよ!!」
 ぜえぜえと荒い息を吐きつつ、ワイスはレシュレイを睨みつける。両方の頬から出血しているために、体中の血液が足りていないのだ。間違っても傷口に『ゴースト・ハック』など使ってしまった日には、激痛が襲い掛かった上に、血管内は強化カーボンの内部に潜む細菌に犯されるだろう。
「往生際が悪いぞ!!!」
 すぐさま『漆黒の剣ソードオブシャドウ』を横薙ぎに切り払う。
 甲高い金属音と共に、再度、攻撃が何かに止められる。
 今度は左手。ただし、その形状は盾。それも、大型のリミットシールドだ。
 ワイスは『ゴースト・ハック』を使い、自分自身に金属を装着させて武器を作り上げた。
 そして今度は、盾を作り上げた。
 成程、攻撃だけではなく防御にも使えるのか…と、一瞬だけレシュレイは納得した後に、今度は何の前触れもなく『漆黒の剣ソードオブシャドウ』による一突きを放つ。元々『漆黒の剣ソードオブシャドウ』は剣であるがために本来なら斬りの方が強いわけなのだが、圧力の法則から成り立つ『一点の攻撃力重視』でワイスのリミットシールドの強度を測る策に出る。
 ワイスの急所を突くべく、神速で放たれる牙突零式!!!
 ガキィッ!!!
 これもリミットシールドで防がれる。だが、これでいい。
 ワイスの速度が現実と比べて何倍あるのかを調べるためには、攻撃をガードさせた時の反応速度と空気の動きで判断できる。
 今度はワイスの方から、ナックルらしきもので攻撃してくる。しかし、その速度はレシュレイには目に見える。いともたやすくさらりと回避。
 続いてレシュレイが飛翔する。世界が回る。
 天井から槍が出現するが、そんなのはとっくにお見通し。天井を蹴って地面目掛けて直下。天井から出現した槍は標的を仕留めるどころかかすりもしないでその場に残る。
 直下の勢いを利用して、レシュレイはワイスに突撃する。無論ワイスとて、それを大人しく食らうほど莫迦ではない。リミットシールドを構えてレシュレイの攻撃に備える。
 …思ったとおりだ。
 人間の本能の一つに『防衛本能』というものがある。それはその名前の通り、自らの体を如何してでも守ろうとする、いわゆる『反射』のようなものだ。
 故に今、ワイスはリミットシールドを構えてレシュレイの攻撃に備えた。
 だからこそ、ワイスは気づいていない。
 今のレシュレイが、直下中にかなりの隙を見せている事に。
 直下するということは、すなわち、文字通り急降下して攻撃するという事だ。
 だが、この戦法には欠点がある。直下中は空中にいるわけだから、何かを蹴って方向転換することが出来ない。つまり、この状態で『ゴースト・ハック』などで攻撃されても、逃げる事ができないという事だ。
 だが、レシュレイが光速で直下しての攻めを展開する事により、ワイスは自分の身を守る事を最優先で考えてしまい、今のレシュレイが隙だらけだということに気がついていない。攻撃には絶好のチャンスなのに『防ぐべきものが見えている』せいでどうしても『防ぐ』ことを最優先で考えてしまう。
 肉体でも精神でも情報でもない『選択肢』に対する攻撃。
 攻撃を防ぐ事に必死なワイスは、自分が失っているものの大きさに気づかない。
 そして、『漆黒の剣ソードオブシャドウ』の切っ先とリミットシールドの表面がぶつかり合う。
(『情報解体』発動)
 レシュレイのI−ブレインが、打ち込まれたプログラムによって行動を開始する。刹那の時を経てワイスのリミットシールドが完全に情報解体されてその存在を失う。
 わけは無い。『漆黒の剣ソードオブシャドウ』はレシュレイにとっての騎士剣そのものであり、情報解体が使えるのも至極当然の事だ。
 そし邪魔者の存在しない『漆黒の剣ソードオブシャドウ』は唸りを上げてワイスに襲い掛かる。
「がっ!!!」
 ワイスの悲痛な叫び声があがる。
 鮮血が散る。
 『漆黒の剣ソードオブシャドウ』がワイスの右太股に突き刺さる。たとえ相手が人形使いであろうが、メインとなる攻撃手段は『ゴースト・ハック』による遠隔攻撃。そして、ワイスの速度はおそらく通常の三十倍…レシュレイの約二分の一の速度でしかない。
 加えて、ロンがセリシアを守ってくれている(と信じたい)為に、こっちには人質などいない。そのおかげで、こっちは存分に戦える。
 そもそも、魔法士同士の戦いにおいて、付け焼刃の攻撃が決定打になりうる可能性は激しく低い。
「さて―――」
 ワイスの右太股から『漆黒の剣ソードオブシャドウ』を抜く。紅い血が付着してしまったが、後で洗えばいい。
「―――チェックメイトだ」
 そうして、『漆黒の剣ソードオブシャドウ』をワイスの頭上に振り下ろそうとして―――――――。













猛烈に、嫌な予感を感じ取った。













「!!!!!」
 『漆黒の剣ソードオブシャドウ』を振り降ろしきる前に、レシュレイは後方へと跳躍していた。
 一刹那の間を置いて、一刹那前の時にはレシュレイがいた地点に、つい先ほどワイスが天井に作り上げた槍が降ってきた。一刹那遅かったら、レシュレイの命が無かったかもしれない。
 だが、攻撃が成功したというのに、ワイスの様子がおかしい。
 ワイスの体が、がたがた震えている。視線は虚ろになっていて、唇は蒼白になっていて―――――これは出血のせいかもしれないが。
 例えるならばまるで、何かに怯えているような――――。
 そして刹那に、その正体を知る。
 天井の一部分が轟音と共に崩壊し、砂煙と強化カーボンの板切れが、誰もいない地点に飛来する。
 天井にぽっかりと空いたその穴から熱量を感知する。
 刹那、正体不明の質量が降りてくる。
 水色の髪のツインテールが、その場にいる一同の目に入る。
 すたっ…と華麗かつ綺麗に着地した水色の髪のツインテールは、スカートの端を持って、まるでお嬢様のようにお辞儀をして、
「初めまして…ですね」
 目を瞑り、うやうやしく頭を下げた。










<<<続く>>>




















―――【  お ま け の キ ャ ラ ト ー ク 】―――











(マジバトル、やっと終了)
ノーテュエル
「…あー、くたびれた」
ゼイネスト
「あー、痛かった」
ノーテュエル
「あんた、少しは手加減しなさいよ!!!」
ゼイネスト
「お前が最初に本気でかかってきたんだろうが!!」
ノーテュエル
「だからって、そっちもムキにならないでよね!!!」
ゼイネスト
「やかましい。ナイムネが」
ノーテュエル
「がるるるるるるるる!!!」
ゼイネスト
「…って、もうとっくに始まってるじゃないか!!!」








ゼイネスト
「全く、読者の皆さんに見苦しいところを見せてしまった…さて、話を戻すぞ。
まず、さらなる新キャラの登場だな…ていうか、いきなりお嬢様か…また人気ランキング変動しそうだな…」
ノーテュエル
「それはどうでもいいとして、何よあの女!!!!いきなりいい子ぶっちゃって!!!あの女、本当は…」
ゼイネスト
「待った!!!ネタバレは禁止だ!!!」
ノーテュエル
「あっと、いけないいけない…で、今回、ついに『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』が発動したわね…くっ、忌々しい能力だわ…」
ゼイネスト
「果たしてミリルは生き残れるのか!?」
ノーテュエル
「それこそ次回のお楽しみってわけじゃない?」
ゼイネスト
「…それに、鋭い人には『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』の正体が分かったかもしれないけどな」
ノーテュエル
「え!?そうかな。『狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』の元ネタは、あまりメジャーじゃないネタを使ったから、分からない人も多いんじゃないの?」
ゼイネスト
「まあ、後に用語辞典作るつもりらしいから、その時に分かるかもな」
ノーテュエル
「ワイスはどうなるかな?」
ゼイネスト
「展開的に死ぬんじゃないか?でないと、論の路銀が…」
ノーテュエル
「切実ね――――」
ゼイネスト
「全くだ」
ノーテュエル
「じゃあ、今回はこの辺で終わりにしようかしら」
ゼイネスト
「今回はやけに短いな」
ノーテュエル
「嵐の前の静けさってやつよ。きっと」








<こっちのコーナーも続く>










<作者様コメント>
何か今回、異常なまでに文字を撃つ速度が速く感じました。
ブラインドタッチはかなり辛いですが。


次あたりで、錬とブリードの第二ラウンドが展開されます。
果たして錬はフィアを取り戻せるのか?
それともブリードがシティ・モスクワを守りきるのか?
勝利の女神はどちらに微笑むでしょうか?


てか、状況的にミリルが一番ヤヴァイポジションにいると思われます。
狂いし君への厄災バーサーカーディザスター』状態のノーテュエルは、
設定上では全キャラ中でも最高クラスの強さだったり…。


以上、画龍点せー異でした。

<作者様サイト>
無いです。

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